ノイシュヴァンシュタイン城 その2


その1と同じように入場するのに待たされた話になってしまうが、それだけ添乗員、ツアーガイドはこの
お城の見学をすること自体が戦いだったし、今でもそうだ、ということを言いたいので、
まあ聞いてやって下さい。

日本人グループの場合は、この後8割方はドイツを抜けてスイスのインターラーケン、あるいはグリンデルワルドまで
オーストリアとスイスの国境を超え、田舎道を走り、約7時間ほど移動する。
と言うわけで、なるべくここの観光を早目に終えないとかなり遅くなってしまう。

フュッセン出発の場合ば別として、ミュンヘンなどからここに到着した場合はまず必ずお客様にトイレに
行ってもらうのだが、その際に「ここは時間との戦いなので、お城の観光が終るまで絶対にお買い物はしない、
お店に入ってもいかん。ちょっときつい言い方をするかも知れませんが、これが一番時間を有効に進める方法
なんですから。」と釘をさす。
 
実際に30秒遅れて20分待たされたことがある。
あと二人か、と思っていた所へ大きな団体がバス乗り場にやって来て、結局は次のバスまで待たされたことがあった。
「あとのお客さんはどこへ行きました?お店に入ってる?呼んで来て下さい!(目がつり上がってる)。」
その間に私はチケットを昼食を取るホテル、あるいはレストランで購入する。
これでチケット売り場に並ばなくてもすむ。

あれやこれやでやっとバスに乗り、マリエン橋まで行ってお城をバックに写真を撮り、お城の入口に並ぶのだが、
ここからが大変。
かなり以前の話だが、チケット売り場はお城の入口にあり、個人客はここでチケットを購入した。ところが私のように
あらかじめチケットを持っている団体がどんどん割り込んで行く場合がある。
私のグループには、「そういうのはフェアじゃないので私はやりません。割り込まないし、割り込ませない!
もしそういう団体が入って来たら、皆さんでサムライパワー、ヤングパワー、オバタリアンパワーでブロックアウト
して下さい!」

それでもチケットを持っている、ということで年に2、3度は割り込んで来る団体に怒鳴ることがあった。
大体はスペインとかフランス、イタリア等、ラテン系の団体だった。
皆黙っているのだが、私は周りの人達に聞こえる大声で、「こらー、お前ら!ちゃんと後ろに並べー!!!
フェアじゃねーぞ!!!」
周りの人達は、「そうよ、そうよ。ちゃんと並びなさいよ。」と言うのだが、割り込んで来た人達は、
「ドイツ語わかんないわよ。」という顔をして知らん振りをするか、びっくりして立ち止まるか。
ガイドはどこかに身を隠してしまうのがほとんどだった。グヤジイ!。

一度日本人の団体がこれをやったことがあった。
「後ろに並んで下さい。」と私。
「でもチケット持ってるんですが。」と添乗員。
「今は皆チケットを持ってるの!後ろに並びなさい!!!」と大声でやったら、添乗員もそのお客さんも
びっくりして後ずさりした。
結局はこの団体と私のグループは中で一緒に案内を受けた。
「びっくりしたろ?」
「ハイ、すいません。」
「やっぱり割り込みはいかんわな。」

その後チケット売り場の場所を変え、並び方をドイツ語、英語、日本語(3番目に来る)、
フランス語、等の言語別に分けたりしたのだが、結局は待ち時間がそれほどは短くならず、
夏はいつでも入り口の前で1時間は待たされ、皆殺気立って来る。

入場制限をしているお兄さんに「一時間も私達待っているのよ!」と食って掛かる観光客もかなりいて、
「まあまあ、この時期は1時間なんて普通なんだから…。」となだめたりしたこともあった。

その1でも述べたように、現在は並んで待つ、ということはなくなった。
それだけでもかなり楽にはなったかと思うが、時間がかかることに変りはない。

と言うわけで、添乗員、ガイドの人達は、お客様をご案内しながらも、常に無駄のないように先のことを
考えながらあれこれ動き回っているのです。
故林家三平師匠じゃありませんが、「ほんと大変なんスから。」