ノイシュヴァンシュタイン城 その1
日本からドイツ旅行にいらした観光客の方はこのノイシュヴァンシュタイン城を見る為に来た、と言っても
過言ではないだろう。
私はロマンチック街道を経由しながら、この城をご案内したのは通算してざっと300回は下らないと思う。
リムジンサービスを始めてからは一年間で76回というのが最高(この話は後日)。
天国に行ったら(行けるかな?)、この城の建造主ルードヴィッヒ2世から表彰状がもらえるのではないか?
なんて思ったりして。「ヒョウショウジョウ!ごっつあんです」、なんつーて。
それはそれとして、このお城を見学に全世界からざっと130万人がやって来る、と言われている。
マリエン橋から見たノイシュヴァンシュタイン城
ベルリンの壁が開き、ソ連が崩壊し、いわゆる東側諸国からの行き来が自由になって以来、お城の入口付近では
聞き慣れない言葉が行き交っている。
我々ガイド、そして添乗員にとってはこのお城に入場するまでが一大事。
行くには徒歩、馬車、乗合バスという3つの方法があり、徒歩では登り道(それほどきつくはない)を約35分、
馬車ではこの道を馬車で約20分途中まで上った後、徒歩で約10分、乗合バスでは、専用道路道路を4分行った後に
歩いて約15分。
ところが、この馬車や乗合バスは定期的に出ているわけではなく、満員になってから出発し、シーズンオフはいいとしても、
シーズン中、特に7、8月は乗るのに待たされることになる。
その待ち時間もひどい時になると1時間を越えることもしばしば。
そしてお城の近くに行ったとしても、今度はチケット売り場、更には入場の為に待たされる…。
中ではグループごとに案内があり、その時間は約40分、と言う訳でいやその時間のかかること!
この城に行くたびに、乗合バスを待ち始めてから、見学が終るまでの時間をいつも計っていた。
一番早く済んだのが、1時間35分、一番長かったのは何と約4時間半!
この長かった時は入場するのに入口で2時間半も待たされた(まるで70年の大阪万博)。
入り口前は長蛇の列。お客様約17名様だったのだが、「皆さん、どうしましょう?この状況ではかなり、そうですね、
1時間半は待つことになるかもしれません。でも旅行会社が見学をお約束していますから、100人いて99人が
待ちたくない、としても一人でもどうしても行きたい、ということであれば行きます。これは多数決、という訳には行きません。
どうしますか?私はどちらでもかまいません。」と私。
お客様は、「待ちたくないんだけでも、見学はしたい…。」という顔ばかり。
あるお客様が、「まあ、並んでみましょうよ。」と発言し、皆様それに同意して待つことになった。
その間、チケットを持っている、ということで列に割り込んで来る他のお客さんをブロックアウトしながら待った時間が
2時間半、という結果になった。
それでも見学を終えた皆さんはニコニコして本当に満足そうだった。
その後、ミュンヘン行きのバスの中であるお客様が、「自分達だけだったらこんな長い時間待たなかったよなー。」と発言、
皆さん、「そうだよなー。」と賛成したのだった。めでたし、めでたし。
一昨年から入場システムが変り、入場時間をチケット売場で指定され、時間調整がしやすくなったと同時に、
並んで待たされることはなくなったものの、バス、馬車乗り場が混み合うことに変りはありません。
個人でいらっしゃる方は先手必勝、ということで早めにいらした方がよろしいですよ。