ローテンブルクの話 その2

この町は城郭で囲まれている部分にすんでいる人口が約5千人、最も栄えた時代の人口も約5千人と
小さいと思われるのだが、中世の時代は中規模の町だったらしい。

普通の人が普通に歩いて15分もすると町の端から端まで行ってしまうほどで、絶対に迷子になることはない、
と思っていたのだが、ある時、中年の女性があわてて話しかけて来た。
「あの、すいません。私のグループがいなくなったんですけど…」。
「違います。貴方がいなくなったんです」、と私。

冗談はそれとして、事情を詳しく聞いた後、「じゃあ、ここしか考えられませんから、この道を行ってみて下さい」。
と言ってあげる。

私のお客様をほったらかしにするにも行かず、それ以上のことは出来そうもないので。

それはそうとして、この町は小さく、どこに行っても絵になるし、何をしても絵になるので、町の中心の
しかけ時計の前で町の地図を渡し、地図の見方から教えて、「ああして、こして、こう行けば…。
一応主だった所はご案内して、その後は解散します。途中でいなくなってもかまいません。
〇時〇分にこの場所に再集合です」、と案内し始める。



ローテンブルク市役所(左)としかけ時計

この町には色々なお店が並んでいて、特に有名なのが「ケーテ・ヴォールファールト」というクリスマスの飾り物、
置物を売っているお店。
ここは一見の価値があり、ガイドブックにも載っており、最近は若い女性はこのお店を見る為にローテンブルクを
訪れる人さえもいて、「私、観光はいりませんからここのお店に入っていていいですか?」
「いいですよ。その代りちゃんと時間通りに集合して下さいね。」と解放してあげる。

他のお客様には、「女性はここに入ったら一時間は出て来ません。ご夫婦でいらした方は必ず夫婦喧嘩が起きます。
奨励しているわけではありませんが。ここは入ったら立ち止まったらいけません。中はすごく広いんで、
どんどん奥へ行って戻って来る時に買うのが時間を無駄なく使えます。他のお店に入りたい方は、このお店は
一番最後にしないと時間がなくなりますからお気をつけ下さい」、と釘を差す。

これ以外にも、テディベア等の熊に関する物が、それこそくまなく並んでいるお店、刃物のお店、革製品、錫製品、
時計、ワイン等、ありとあらゆるお買い物ができるようになっており、そして見る所、行く所が結構あり、
小さい割には時間が足りなくなるのがこの町。

最低半日は必要で、くれぐれも時間をうまい具合に使わないといけません。