日本人ドライバーが専用車でミュンヘンをご案内します!!
ミュンヘンの話 その3
ミュンヘンは南ドイツバイエルン州の州都であり、ベルリンが長い間東西に分かれ、そしてかなり離れている、
ということもあって、東西ドイツが統一になってからも賑やかで華やかさを失わないのがこの町。
特に、オペラ劇場、国賓が泊まる最高のホテル、フィーアヤーレスツァイテンがあるマキシミリアン通りは、
ルートヴィッヒ2世の父親のマキシミリアンが、その父のルートヴィッヒ1世が建設したルートヴィッヒ通りに負けないように、
と建設した通りである。
ここにはご婦人方が喜びそうなブランドのお店が軒並み連なっている所なのです。
ある時、この通りをいわゆるハイソサエティの熟年ご夫婦15組ほどの団体を大型バスの車窓からご案内したことがあった。
「ハイ、やって来ました、マキシミリアン通り。この通りはルートヴィッヒ2世のお父さんのマキシミリアンが、ルートヴィッヒ1世が造った
ルートヴィッヒ通りに対抗して、親父に負けちゃいられない、というわけで造ったのがこの通り。
パリとは比べ物にはならないとしても、世界のブランド品がドタドタドタ、と並んでいるのがこの通りでして、ハイ、まずこの右側に見えてるのが
フェラガモ、その隣に見えてるのがカルガモ、なんてのは冗談で、イヴ・サン・ローラン。左に見えてるのがイル・サンダー、
その隣にあるのがアルマーニ、そんなことはアルマーニ、反対側はブルガリで、その反対側は皆さんご存知、フランスの最高級品
エルメスだァ!(お店の順番は間違えてるかもしれない)」。
そういう感じで案内すると、ご婦人達はあっちを向いては、「ワー!」、こっちを向いては「キャー!」。
ご主人達は青くなって、ハラハラしているのが手に取るように分かる。
それにはかまわず、「ハイ、その隣がダックスで、続いてトルコ人の有名なデザイナーのモシュハンマー、そして日本人の大好きなルイ・ヴィトン、高級時計も並んだお店の隣はドイツのブランドゴールドファイル、この通りをずっとそのまま行くとプラダがあって、その向いはティファニー、
そしてそのお国はアイグナーとバリーが続きます。」
ご婦人達は気もそぞろ、完全に興奮状態で、「早く下ろして!」、というような顔ばかり。
そこで言ったのが、「今日は日曜日で残念ながらぜーんぶお休みでーす!」
「えーーーーー!!!!」
ご主人達のそのほっとした顔!!良かったですねー。