ニュルンベルクの話 その2
ドイツではどこでもそうだが、11月末から12月22日頃までクリスマスマーケットが立つ。
サマータイムが10月末で終わると、急に日が短くなったような気がすると同時に、これから長い冬が
始まると思うと気が重くなる。
それでも、このクリスマスマーケットが出てくると何となくうきうきした気分になる。
特に昔から、「貧しきドイツ」と言われていたせいもあるし、ドイツ人はそれほど金持ちでもないので、
普段は子供たちにあれこれ何でも買ってやれる様な状況ではない。
その唯一例外と言っても過言ではないのがクリスマスのプレゼントであり、子供たちはもちろん、親子、
あるいは夫婦同士でもあれこれプレゼントを交換する。そのために通常の場合はクリスマス手当てとして、
半月分の給料がボーナスとして支払われる。
最古のクリスマスマーケットが立ったというドレスデンを始め、シュツットガルト、ニュルンベルクなどの市が
有名だが、その中でも特にニュルンベルクは最大の規模を誇り、11月最後の金曜日から12月24日の12時まで
開いていて、ドイツからはもちろん、ヨーロッパ中から多くの観光客がやって来て賑わう。普段は青空市が
店を並べている広場に、エルツ山地地方で作られたクリスマスの置物やクリスマスツリーの飾り物、
色とりどりのきれいなろうそく、毛皮の帽子、しゃれた革製品などを売る屋台、そしてこの町の名物である
ニュルンベルガーソーセージを焼いているスタンドなど所狭しと並び、クリスマスの準備をするために
お買い物をする人たちでごった返す。
外は氷点下になることも珍しくはないのだが、赤ワインにシナモンなどのハーブを入れて暖めたグリューワインを飲み、
身体を内側から暖めながらニュルンベルガーソーゼージを頬張る、なんていうことも悪くない。
皆さん、「クリスマスプレゼントを買ってあげれる、相手はどんな顔して喜ぶかしら?」、という感じで
ニコニコしている。
市場の端にある「美しい噴水」では、観光客が樋に手をかけながら、鉄柵に組み込まれた真鋳の輪を回している。
こうすると幸せになれるそうな。
聖母教会では毎時、ドイツの皇帝であったカール4世の回りを7人の選帝侯が回って行く仕掛け時計が動く。
その右側、ローレンツ教会に続く道の入り口に、この町のもうひとつの名物である、レープクーヘンという
クッキーを焼いているお店があり、これはニュルンベルクのクリスマスマーケットを体験した人には買って行って
欲しいものである。結構日持ちもするので、綺麗な缶入りのをお勧めしたい。
ここのマーケットは朝は9時(日曜は10:30)から夜の8時まで開いているが、ホテルは駅の近くとか、
城壁の中、なるべくこのマーケットまで歩いていける場所に取るのが望ましい。
また、職人地区と呼ばれる場所も結構見ごたえがあるので、お見逃しなく。