食物の話(ドイツで食べたうどん) その1

かなり前の話になるが、国会選挙前にふるさと創生資金とか称して、各自治体にその人口に関係なく
一億円が配布されたことがあった。

私の実家がある町は世界一大きな太鼓がある、ということで世界中の太鼓を集めた博物館を造り、
私もヨーロッパの太鼓を寄付した。

温泉を掘った、とか一億円の金塊を買った、という自治体もあったのだが、東北あたりでは農業後継者とか、
若い女性達のヨーロッパ研修旅行、というのが企画され、私も何度か案内させて頂いた。

岩手県のK村ではドイツとフランスのパリ近郊の農業地帯にファームステイをし、現地での農家の生活を
身を持って体験しよう、ということで村が募集し、それに論文を書いて選抜された9名の女性達と
2人の村の男性職員(執事代り)、そしてK社の女性添乗員をご案内することになった。

この9名様は神主の奥様、蕎麦屋の女将さん、図書館の司書、ピアノの先生、主婦、その他と、色々立場の
違う女性達の集団だった。

色々事前に心の準備をし、そして私がステイ先に着く前にバスの中でドイツ語の特訓をしたこともあり、
一応は無事に二泊三日の滞在を終え、滞在先のご家族を交えて大きなレストランでさよならパーティを行った。

その際、同行した蕎麦屋の女将さんが中心となり、皆に「食事のスープに日本のうどんスープを出して
皆さんに味わってもらう。」というアイデアを実行することになった。

「それで前の日から葱が欲しい、と言っていたのか。」、と納得する。

そういう訳で、レストランには厨房を使用させてもらえるように交渉し、我々が村長を交えながら
パーティをしている間、何人かは厨房でこのうどん造りに精を出したのだった。

しばらくしてそのうどんが出来上がり、鰹節と醤油の匂いが効いたうどんスープを賞味することになったのだが、
私にとっては本当に久し振りのプロが作ったうどん!

葱の香りも交わって、いや、そのおいしいこと!!

このうどんを二杯頂き、それ以外はあまり食欲がないのでいらない、と言って断る。

招待されたドイツ人も結構にこにこしながら、「おいしい」と言いながら食べている(醤油は世界最高の調味料なのです)。
お客様は皆久し振りの醤油味なので皆うれしそうだ。

「よかった、よかった。あ〜おいしかった〜!」、という訳でスープが終り、今度は典型的なドイツ料理である、
こってりとした茸のソースがかかったローストポークがメインディッシュに出て来た。

お客様全員同じ顔をしていました。

「えーーー!?これ食べなきゃなんないの〜????」









ドイツのリムジンサービス藤島
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