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ノイシュヴァンシュタイン城 その4


このお城、そして建造主であるルートヴィッヒ2世のおかげで地元のフュッセン、シュヴァンガウ、
そしてその周辺の人達は非常に潤っていることだろう。
ノイシュヴァンシュタインの絵葉書、ポスター、ビデオ、置物、Tシャツ、王様の伝記など、ありとあらゆる
関連商品、キャラクター用品が並んでいる。
さすがにどこかの国みたいに、ノイシュヴァンシュタイン饅頭、ルートヴィッヒ2世煎餅の類はないのだが。

地元のフュッセンという町はお城ばかりではなく、ロマンチック街道の出発点であり、終着点であり、
山あり谷あり湖ありの自然に恵まれ、山歩き、キャンピング、ハングライダー、パラセールの好きな方もかなりいる。

町では更に観光客を呼ぶ為のアトラクションとしてミュージカルをやろう!という発案があり、町の議会で
わずか1票差で可決された、と聞き及んでいる。
そして劇場の建設が急ピッチで進められ、2000年4月、町の郊外に1,400人収容のミュージカル劇場が完成、
ルートヴィッヒ2世の生い立ちを題材としてミュージカルが上演されるようになった。題して、「楽園への憧れ」。
このミュージカルは絶対にロングランとしてギネスブックに載るのは間違いない。
早い話がこれしか上演しないのだから…。

それはともかく、私も個人旅行のお客様と一緒に一度だけ見たことがある。結論としては、悪くない。

オペラ、オペレッタ等はちょっととっつきにくい感じがしないでもないし、上演中に中だるみのような
感じを受けることもあるのだが、ミュージカルはそういうこともなく、あれこれバラエティに富んでいるので、
初めての方達にも受け入れやすいようだ。
それに加えて、日本では劇場に入ること自体非常に珍しいことだろうし…。

台詞は全てドイツ語であるが、有難いことに舞台上方に英語、日本語の字幕が出て来る。
日本人観光客へのサービスなのだろう、「日本にお城を作るつもりか?」といった台詞が出て来るし、
王様が気球に乗って世界一周する、という幻想を抱くのだが、日本上空を飛ぶ場面が出て来る。
三人の女性が着物を着たうえに、それらしい鬘をかぶって登場するのだが、かなり日本人離れしている。
まあ、それはそれとして、この3人が「赤とんぼ」の歌を歌ってくれる。
それに加えて、バイエルン地方の民族舞踏も披露してくれる。
有難いことである。

面白いのは、舞台の表裏を逆にして舞台装置を裏方の人達がどう操作しているか、ということを観客席から
見える場面があることである。
王様がスポンサーになったワーグナーのオペラに竜が出て来るのだが、その竜が火を吹き出すシーンで
裏方がどのようなことをしているのかを観客に見せてくれる、という訳である。

その他、本物の馬が引く馬そりが出て来て、冬に人嫌いの王様が夜に紛れてそり遊びをする場面。
そして圧巻は王様が入水して行く最後の場面。
どういう形になっているかは私も分からないのだが、舞台に水が張られ、この水の中に王様が入水して消えていく…。
そして…(全部は言わないことにしておきます)。

カーテンコールではどこからどう裏側に出たものやら、舞台の袖から王様が出て来て観客にご挨拶します。

劇場の中にはレストラン、おみやげ物屋もあり、色々なキャラクター商品が並ベられている。
さすがにオペラ劇場ではこのような物を売らないのだが、これがミュージカルなどになるとこういう物が出て
来るのだろう。どこかの少女歌劇もそうかしら?

上演時間は休憩を入れてざっと3時間、チケットは45から120ユーロ(約5,500円から15,000円、
安いと言えば安いし、高いと言えば高い)、月曜日を除く毎日、19時30分開演。
週末には昼(14時30分)と夜上演していますが、シーズン中は結構一杯になるみたいです(ご確認を)。

チケットセンターの電話番号:01805−583944
HP:www.ludwigmusical.com

交通手段としては、フュッセンの駅から20分毎にバスが出ているそうです。
ホテルによっては劇場の側まで送迎してくれる特別バスが出ています(ちょっと高い)。
かなり混み合いますのでお早目に。
この情報に関してはご自分でもう一度ご確認下さい。

出演者のリストを見ていたら、ダブルキャストどころではなく、王様役が5人ほどいて結構多い。
人材というのは捜せばいるもんですね。そのうちに日本に引越し公演ということになるかも…。


ご注意!!!!  このミュージカルの公演はなくなりました。





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