田んぼの話

1997年ごろだったと思う。
F1レースのファンクフラブ主催により、日本からのクラブメンバー約50人が
ベンツに分乗して、フランクフルトからモナコまで約2000キロを走る、
というツアーのために、私とその下見のメンバー二人で同じコースを走った。

フランクフルトから出発して、ローテンブルク、フュッセン、インターラーケンを経て、
ミラノの近郊の古城ホテルに泊まり、さらに地中海の港町ジェノヴァに向かう。
途中、平野が広がり、ポー川という表示が見えてきた。
「へえ〜〜。こんなところもあるんだ」、と思いながら車を走らせると、何となく
見慣れた、というか、懐かしい光景が目に入って来た。溝で仕切られ、起伏のない
畑がずっと広がっている。「何だかおかしいな〜」、と思いながらそのまま行くと、
その畑が耕され、さらに行くと、水が張られていた。
そう、秋田生まれの私には見慣れた田んぼである。
「ああ、ここか!」。高校の地理で習った、「コメが耕作されているロンバルジア平原」
がここである。「苦いコメ」、という昔の映画があったな、そう言えば。

通りかかったのはちょうど4月で、日本で言えば、苗代作りが行なわれる頃だろうか。
この地方でも田植えは行なわれるのかな?

この次にここを通りかかったのは6月であったが、見事に青々とした稲が田んぼに
密生していた。田植えは行なわれず、直播きらしい。

まあ、それはそれとして、本来であれば、この地方で栽培されるコメは、細長い
いわゆるインディカ米らしいが、最近は日本人向け、あるいは寿司用に、ジャポニカ米の
需要も出てきているらしい。というわけで、日本から、ササニシキとか、コシヒカリの
種籾を持ってきて、日本と全く同じ作り方をしているそうな。
んでもって、そのブランド名が、「イタヒカリ」とか、「イタニシキ」とか言うらしい。
ホントかいな?

この次にここを通りかかったら、「イタリアの米どころ」の写真を撮っておくことにしよう。


2008年の6月、久しぶりにこの地方を通りかかった。
トリノからミラノに移動中に撮った写真がこれである。
車で移動中に撮ったものなので、あまりはっきりとは写っていないのだが、本物の田んぼである。