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ベルギー・ブリュージュ

ベルギーという国は誰でも知っているが、フランス、イタリア、ドイツ、スイスなどと比べると、
日本人が訪れるヨーロッパの国ではちょっとマイナーな国かもしれない。

ところが、私にとっては非常に好きな国のうちのひとつで、ドイツ旅行の次にはベルギー、オランダ旅行を
推薦しています。

何と言ってもベルギーは昔の面影をそのまま残しているところが多いのです。

第一次世界大戦では、ドイツが国際法を破って中立国であるこの国を通過してフランスに攻め入ろうとし、
連合軍と激しい戦闘となり、特にイーペルンという町は跡形もないほど破壊されてしまっが、
その後、見事に昔通りの町に復元されたということである。

今度機会があったら行ってみようと思う。

ところが、第二次世界大戦ではロンメルが率いる戦車師団があっという間に攻め入り、ベルギーはわずか
2週間で降伏したと聞いている。そのおかげで国がほとんど破壊されることなく昔のままに残ってしまったわけである。

その町の中でも私が最も気に入っているのが、中世の面影を残しているブリュージュである。
すでに5〜6回は訪れただろうか?

ベルギーはご存知の通り、フランス語圏とフランドル語圏に分かれており、ブリュッセルはフランス語圏に入るが、
アントワープ、ゲント、ブリュージュはフランドル語圏に入り、ブルージュは正確にはブルッヘと発音される。

オードリーヘップバーン主演の「尼僧物語」の最初のシーンがここで撮影され、聖母教会、
ベギン修道院などがその中に出てくる。

先日テレビで放映されていたが、修道院に入る前に3個絡んでいる指輪をはずしているシーンを見て、
「これはカルチエの指輪だったっけ?」なんてことを考えたりした。

すでに9世紀にはフランドルのバルドイン候がノルマン人からの攻撃を防御するためにお城を築いたのだが、
12世紀にこの町にイタリアの船が寄港し始め、ハンザ都市のひとつとして14世紀には、当時としては
かなりの3万5千人以上の人口を抱えていたそうである。

ところが、町から海を結ぶツヴィン−ヴェスタースケルデという川が砂で埋まってしまい、
水上交通の中心はアントワープに移ってしまったために、この町はあっという間に衰退の一歩をたどることになる。

18世紀には古い建物を壊す金もないぐらいに貧しかったのだが、中世の街がそのまま残ってしまったため、
これが幸いして現在は観光を売り物にして食べているというわけである。このような町はベルギーに限らずヨーロッパには
結構多い。

この町の特徴と言えば、2千軒あると言われる、かわいらしいと思うほどのレンガで作られた中世の建物が並ぶ町並である。
その建物の軒が階段状になっていて、何となく同じ様に見えるのだが、少しずつ違い、これはその当時の商人が
自分の趣味と富を誇示するたにそうしたのだろう。
そしてベルギー、オランダの建物の特徴として、窓枠などのレンガを白く塗り、非常に強いインパクトを与えるようになっている。
しかも、ドイツと違って、窓にはレースのカーテンがなく、家の中が丸見えになるのだが、何となく皆で家の
インテリアの仕方を競っている様にも見える。

見逃してならないのは、町の中心地にある、ベルフィリードと呼ばれる鐘楼の塔、ここではカリヨンが鳴らされるが、
天気が良かったら登ってみると良い。
卵状に広がった赤いレンガ作りのこの町が一望できる。

そして白いゴシック様式の郡の役所、そして第二次十字軍遠征で持ち帰った、イエスキリストの血が入っているという
聖体を祭っている聖血教会、すばらしいゴシックの広間がある市役所、ミケランジェロのマドンナ像のある聖母教会、
ちょっと足を伸ばしてベギン修道院・・・・・。船に乗って運河めぐりもしなければならない。

どこへ行っても絵になるし、何をしても絵になる。そして、どこへ行くにも歩いて行ける。

十分満足するには最低丸一日を必要とするだろう。

この町を訪れた場合には二泊はしたいところである。
こんなことを書いているうちに、また行きたい気持ちになってきた。でも一人で行ってもしょうがないしなー。



ブリュージュの州庁舎





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