ドイツの日本人ドライバーガイド藤島が体験したお話

現在ではドイツ個人旅行の日本人ドライバーガイド、個人旅行手配のエキスパートとして活動している藤島ですが、
1980年に旧東ドイツに渡り、音楽家の端くれとして1985年まで滞在、その後1986年からは西ドイツの大学町、
ハイデルベルクを拠点としてドイツ旅行にいらした日本人観光客のための観光ガイドとして活動を開始、
並行して1992年からはドイツ政府から正式許可を受け、個人ハイヤー会社を設立し、日本人ドライバーとして
ミニバス・ハイヤーを使ったドライバーガイドとしてドイツ、オーストリア、スイス、ベルギー、オランダ、チェコなどの
個人旅行の企画、手配、そしてご案内を致しております。




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ドイツ旅行ガイド、個人旅行手配、ドイツ語通訳、リムジンサービス藤島
MIETWAGENUNTERNEHMEN
JUNICHI FUJISHIMA
VOGTGASSE 4
69181 LEIMEN、GERMANY
Tel:+49-(0)6224-72630
Fax:+49-(0)6224-74591
携帯:+49-(0)172-6200878
e-mail:fujishimatour@gmail.com
HP:http://www.fujishimatour.com

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ドイツにて個人ガイドによる、いわゆる「白タク営業」にご注意ください!!

最近、ドイツはもちろん、全世界を個人旅行なさるお客様を対象として、
登録された個人ガイドを紹介し、そのガイドとお客様から紹介手数料を取る
業者が出てきているようです。

ドイツにおいては、通訳ガイド業務には特別な資格を必要としませんが、
観光ガイドが自家用車やレンタカーを運転してお客様をご案内する、いわゆる、
「白タク営業」は、ドイツにおける「旅客運送法違反」になります。

ドイツを観光、あるいは業務旅行で訪れるお客様におかれましては、
ドイツでのこのような白タク業務は厳禁されており、もしも万が一事故が
あった場合には、保険会社が保障を拒否する危険性がありますので、
十分にお気をつけください。



ドイツの日本人タクシードライバー


ドイツで日本語ガイドを始めたのは1986年の事だが、冬になったらドイツ旅行にいらっしゃるお客様は
少なくなるだろうし、そうなったら稼げなくなる、と考えてアルバイトができそうな職業を考えていたら、
タクシードライバーにぶつかった。>

ドイツのタクシーはベンツのセダン(ドイツではこれをリムジンと呼んでいる)が多いが、これはベンツが
このタイプをタクシーの色、表示、メーターその他をタクシー仕様で造ってあり、値段も安いからである。

同じアパートの建物の中に個人タクシー会社をしている人がおり、その人から、「日本人観光客の多いハイデルベルクで
日本人ドライバーは稼げるよ」、と聞かされていたのである。

私の知る限り、ハイデルベルクには日本人のタクシードライバーは一人もいない。

いわゆるハイヤーとタクシーの運転には許可、日本で言う二種免許が必要である。

これを取得するにはそれほど難しくはないのだが、タクシーの場合は、過去5年間に2年間車を
運転していた、ということを前提として、その車が登録されている町をその運転手が知っているか、
という試験が行なわれる。

特に町の重要な公共の建物、名所、教会、ホテルなどにいかにしたら最短距離で行けるか、試験が行政官庁で行なわれる。

以前住んでいたハイデルベルクの人口は13万7千人ほどだったのでそれほど難しくはなかったのだが、
人口350万人を抱えるベルリンでこの試験を通るのは簡単ではないだろう。
この試験のために大都市では講習が行なわれるそうだ。

町で行なう試験は毎月行なわれ、70点で合格なのだが、一回落ちると3ヶ月は再試験が受けられない。
というわけで、毎日の様に車を町の中あちこちを乗りまわし、町の地図を皿のように見つめて頭の中に叩き込み、
さらには足で歩いて場所を確かめて、いままで全く気にもとめずに通っていた道の名前を覚えながら、
思い出しながら走ったりする。

試験の結果は勉強の甲斐あって、見事に合格。冬は日本人のタクシードライバーで食って行ける、と安心する。

ところが、この年の冬から、学生の卒業旅行やら、研修旅行やらでガイドの仕事は引きも切らず、タクシードライバー
どころではなくなってしまった。

それでも3年ごとに行なわれるこの免許の更新を忘れずにいた。

タクシーのハンドルを握ったのは91年の1月末であった。

忘れもしない、湾岸戦争である。

この戦争の影響で旅行客が激減、収入源がなくなったため、やむを得ず個人タクシーをしている隣人に
雇ってもらう事にする。

駅の前、町の広場、橋のたもと、病院のそばなど、町の中に何ヶ所かあるタクシー乗り場でお客様が
乗り込むのを待っているわけである。

ガイド仲間には、「毎日ベンツに乗って日本人をナンパしながら、しかも、乗せた相手から金まで取っている、
とんでもない奴だ」、とからかわれたものである

たまに日本人の観光客が乗り込んできて、私が日本人ドライバーと気が付くとびっくりしていた。

無線タクシーの資格を持っているタクシーはタクシーセンターから呼び出しを受けて、最寄りのタクシー乗り場から
お客様を迎えに行くこともあるのだが、それもできない。
ただただ、お客様が来るのをじっと待っているだけである。

その間、新聞を読んだり、他のドライバーとお喋りをしていたりするのだが、順番を待っている間、
少しづつ前に進めるので、まるで渋滞につかまっているようなものである。

一時間もお客様を待っていて、走る距離が一区間だったりするとガックリくる。

一度などは、たったの200メートルしか離れていない、しかもその建物は目の前に見えているのに、
「荷物が多いんで頼むよ。」と言われる。
しょうがない。乗車拒否は出来ないことになっている。

ちょっとチップは多めにもらったのだが、こういう時は本当にガックリリくる。

通常、ドライバーの収入は売上の半分で、初日の収入は48マルク(約3500円)であった。
無線タクシーが使えない場合、1日の平均売上は200マルク(1万4千円)を少し越える程度で、
無線タクシーの場合は、30〜40%多くなる。
そういうわけで無線タクシーの試験を受ける事にする。

無線タクシーの試験はかなり難しいのだが、これはいわゆるタクシーセンターがその試験を行なう。
私もハイデルベルクの無線タクシーの資格を取ったのだが、試験前にセンターが講習を行ない、
行政官庁が行なう試験よりもかなり難しくなる。

最も難しいのは、あるレストランからあるレストランまで、というもので、頭の中で町の地図を思い浮かべながら
道をたどって行く。

この無線タクシーの試験は、ハイデルベルクではどの道は町のどの地区に属するか、レストランからレストランまで、
このホテルはどの地区に属するか、など、150の問題が出され、10個までの間違いが許される。

小生がまるで受験勉強の様に苦心惨憺して覚えて試験に臨んだのだが、結果は間違いはなんと、3個だけ!
10人ほどいた受験生の中で最高点!信じられん。

ところが、実際にタクシーを運転してみたら、さっぱり役に立たない。まずタクシーセンターからの無線が良く
聞き取れない、それにその話し方が非常に早すぎてさっぱり理解できない。

呼び出しの番地は間違えるわ、道路の名前は間違えるわで、さんざん。いかに自分のドイツ語の理解力がないものか、
と完全に劣等感に陥った。

タクシードライバーの仲間たちからもタクシーセンターからもやいやい言われながら、結局一年半ほど
タクシードライバーをしていた。

1日12時間労働をして、時給に計算するとあまりいい稼ぎとはいえない職業である。

ドイツのタクシーに乗ったら、ドライバーにはチップを弾んであげて下さい。

私もタクシー会社を設立する資格は持っているのだが、タクシーの権利が高いし、あまり実入りが良くない様だ。

私の様な個人ハイヤーはドイツにも何社かあるようだが、日本人ドライバーのいる、あるいは日本人タクシー会社というのは
あるのかしら?



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