ヨーロッパ共同体にユーロが導入されたのは1999年だったと思うが、それはまだ銀行間取引などで使用されるだけで、
実際に市中に現金が出回るのは2002年になってからである。
ドイツではマルクからユーロに慣れるように、現金が出回る前に、スーパーなどの価格表示はマルクとユーロの
2通りが表示されていた。
マルクとユーロの交換率は約1対2であり、換算が楽だったので、「便利になった」、と思ったものである。
何と言っても、スイスを除く西欧の外国に行く場合、その国の通貨に両替する必要がない、というのは
非常に便利であると同時に、両替する度に目減りすることがないし、マルクに換算する面倒もない。
スイスでは、主だった観光地ではユーロをそのまま受け取ってくれるので、全く問題はない。
ところが、このユーロが導入されてから物価がじわじわと上がってきた。それまでは1マルク=¥100
という感覚であったものが、しだいに1ユーロ=¥100という感覚になってきた。
「ふむ、10ユーロか。で、マルクにするといくらだ?20マルク!高いなー」。
あるいは、「チップに5マルクはいいが、5ユーロは多いなー」、とまあこんな感じである。
早い話が、物価が2倍になった、という感じになってしまった。
それと同時に円との換算率は、最初は120円ぐらいだったのが、今は何と170円!
ざっと40%も値上がりである。失業率も10%を超えているし、世の中は景気が良いと思えるほど
目立った様子はない。
しかもEC加盟国が26ヶ国になったとはいえ、ドイツ、その他の国におんぶに抱っこしている国が多いのに、
ユーロだけが強くなっているのはどういうことなのか?
日本でサラリーマンをしていた時期に、やはり円高ドル安がどんどん進んで、貿易会社と為替取扱い銀行は
毎日のように、為替相場とにらめっこをしていた時があった。当時は、日本の貿易黒字が収まらず、
それが主だった原因なのだが、それと同時に、投機筋の、「思わく」、あるいは、「傾向」というのも
原因だったらしい。
「それにしても、一体どうなってんのかいな?」、と思う。
ところで、ユーロの両替だが、両替率の一番いいのは日本の成田とか関空の日本の空港の銀行らしい。
こちらでは市中銀行のほとんどが両替業務を停止し、大きな駅か空港の両替銀行で両替をすることになるが、
両替率は悪い。
と言うわけで、以前は少なめに両替、と言うことだったが、今は多めに両替の方がよろしいみたいですよ。